2010/08/14
追悼 Coach John Wooden
今年も5月下旬に毎年開催されるNAFSAに行ってきた。その時のプレゼンやワークショップの感想、また日本の国際教育環境の中での課題などは改めて紹介したいと思っていますが、すべての予定が終わり「明日帰国だ」とパッキングをしていた6月4日の夕方テレビを見ていると 大きな、悲しいニュースが飛び込んできた。
「元UCLAバスケットボールチーム・ヘッドコーチ、全米スポーツ20世紀最高のコーチに選ばれた John Wooden コーチが亡くなった」
実は、ここ1-2年入退院も多く、今年の10月の100歳の誕生日を祝えればと多くの人が願っていた矢先だった。6月3日に「危篤」のニュースが出てからはあらゆるメディアがこのニュースに染まった。あとで聞いた話だが、その前の週からUCLAの大学病院に入院されていたとのこと。まさに私がキャンパス訪問で Pauley Pavilion (John Wooden Court) を訪れていたときだった。大学の生協には John Wooden 100 years という生誕100年を祝う彼の本のコーナーができているなど、その存在の大きさを改めて感じた。彼の偉大なところは65歳までのコーチとしての、今後絶対に破られないであろう偉業以上に、バスケを通じて教えていた理念や哲学、そして引退後の社会への貢献、彼の行き方の姿勢などが「生き方のお手本」とされてきた点にあるのだと思う。
コーチに最後に会う機会があったのは昨年5月にUCLAで行われた、UCLA Anderson School 主催の John Wooden Global Leadership Award の時だった。当時98歳。その後8月に、UCLAバスケットボールチーム同窓会」のために再度渡米した時には体調不良で不参加だったので、健康回復をみんなが願っていた。
今年も John Wooden Global Leadership Award のリセプションに出たいと思っていたところ開催が例年の5月から4月上旬に繰り上がったため行けなかったことが残念だ。今思えば、無理して、前倒ししてでも今年も出てくるというコーチの思いだったのかもしれない。そのリセプションから2カ月、コーチは永眠した。
彼のことを書き出すときりがない。私が入学した78年にはすでに引退していたので直接触れ合う機会はほとんどなかったが、私がマネージャーを務めた時のヘッドコーチはJohn Wooden が全米7連覇をしていた時のキャプテンだったので彼を通じて間接的にも影響を受けた。そしてもう一人、私のUCLA時代に大きな刺激と影響を与えてくれたのが Ducky Drake トレーナーだ。彼自身が素晴らしい陸上競技のコーチだったにもかかわらず、コーチ引退後は John Wooden のサポート役としてバスケットボールチームのトレーナをずっと勤めていた、これまた伝説のUCLAの歴史を創った人である。
彼ら二人のことを今年のUCLA日本同窓会の年次総会で話すことになった。毎年2名づつ、過去の卒業生から話題の人を選んでスピーカーを決めるのですが、今年は私、というよりも John Wooden を語れる人を、ということで決まったようです。
以下は、UCLA日本人同窓会のニュースレターに出す予定の私からのメッセージです。彼の教えや Ducky Drake からもらった言葉などはこれから、自分個人のブログをいずれ立ち上げて少しづつ紹介して行こうと思います。
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横山匡 言語学 ’83
(略歴) 父の仕事の関係で14歳からイタリアで過ごし2年後ロス警察の白バイのデザインに携わることになった父親について南カリフォルニアへ。オレンジ郡の高校を経てUCLA言語学部に進学。在学中は外国人初のバスケットボールチーム・ヘッドマネージャーとして各地に遠征。 83年卒業。1984年1月から留学指導・語学教育に携わる。現在株式会社アゴス・ジャパン会長。
Pauley Pavilion と Ducky Drake Stadium
このReunionの歴代ゲストスピーカで、アカデミックな話題が全く出てこない初めての(?)スピーカーとして任命され、期待を裏切らないようやわらかい中身で語らせていただこうと思っています。
留学指導・支援という仕事柄UCLAには毎年行く機会が有り、その際に私が必ず行く場所が2ヶ所あります。 ひとつはUCLAバスケの本拠地 Pauley Pavilion、そしてもうひとつは卒業式が行われた、陸上競技場、Ducky Drake Stadiumです。在学中には、バスケ以外のスポーツ選手とも交流が広がり、オリンピック選手はじめ刺激を受ける多数の学生と過ごしたことで、今でも「あの連中の5分の1の努力ができたらなんとかなる」と思わせてもらっています。 その、私のUCLA生活を振り返る原点がこの二カ所にあります。
今回のReunionではこの二カ所にまつわる、私が大きな影響を受けた二人のことを紹介したいと思っています。一人目は、今年の6月5日に99歳で亡くなった、「全米スポーツ20世紀のベストコーチ」に選ばれた John Wooden ヘッドコーチのこと。そして彼の「成功の定義」を支えているPyramid of Success について。もう一人は、1981年のチームの写真の中列右端に写っている Ducky Drake トレーナーです。トレーナーになるまでは全米五輪チーム、そしてUCLAの陸上競技のヘッドコーチとしてメダリストを何十人も輩出した名コーチで、卒業式が行われたDrake Stadium は彼の功績をたたえてネーミングされたものです。
John Wooden の 成功の定義は私がこだわってきた “Maximize Your Value”の原点でもあり、Ducky Drake からもらったいくつもの言葉の中でも「否定できない運命を大切に生きれば幸せになれるよ」は今でもずっと残っています。それぞれの意味の解釈や深さは10、20年後と進化してきていますが、若い頃にそんな言葉に出会えたことを幸運に思います。
以前、講演会で「横山さんはUCLAに行ったことで人生で何が変わりましたか?」と聞かれました。「UCLAに行ったという人生しか生きていないので行かなかったらどうなっていたかは解りません。しかし、今、そしてこれからの私の人生全てにUCLAでの生活が影響してきます」と答えたのを思い出します。今の自分に導いてくれた場所と時間。そんな「否定できない運命」と思い出を共有する皆さんと日本同窓会を通じて繋がっていられることを嬉しく思います。11月12日、多くの皆さんに会えることを楽しみにしています。
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